『あれ？ のぞみ？』

オーナメントの材料を下に取りに行って戻ってきたら
さっきまでニコニコウキウキと笑っていたのぞみの姿がなくなっていた。

慌ててキョロキョロと周りを見渡すと
ソファーですやすやと寝息をたてている彼女を見つけ
ほっと胸を撫で下ろす。

今日は、のぞみの誕生日。

ナッツハウスでお誕生会をやってもらえる事が嬉しくて
いつもの倍は早起きしてパーティー会場にやって来たらしいのぞみだったが
待ちくたびれて眠ってしまったみたいだ。

あまりに気持ち良さそうに寝ているので、起こそうか迷っていたら

『あら。のぞみ寝てしまったんですか？』

くるみが僕の背中に声をかけた。

『うん。待ちくたびれたみたい。気持ち良さそうに寝てるから起こすのもかわいそうでね。』

苦笑しながらくるみに言うと、彼女は胸の前で腕を組んで溜め息を１つついた。

『ココ様、起こさなくてよろしいですわ…。
のぞみったら、珍しく早く来たと思ったら、
やれ「何作ってるの？」 とか、
「私も何かやる！？」とか、
人の回りをクルクルクルクル落ち着かなくって…
まったく…寝てくれてほっとしたわ！』

最後は寝ているのぞみに向かって爽やかに睨み付けて静かに言ってのけたが
本当に怒っている風ではなかった。
何だかんだ言ってのぞみもくるみも仲良しだ。

じゃあ起こさないでそっとしておこうか…と２人で話していたら

『そのままでは風邪を引く。今日は天気も良いし、屋上のテラスが丁度暖まっているからそこに連れていってやるといい。』

ナッツが肌掛けを持ってやってきた。

『え？ 僕が？』

『当たり前だ。オレ達は料理の用意が忙しいからな。』

『心外だなぁ…僕だって…』

『オーナメントはりんたちが来てからでも間に合う。良いからさっさと連れていってやれ。』


ナッツがそう言うなら…

僕は肌掛けを受け取ると
のぞみを起こさないようにそうっと抱き上げ

トントントン

テンポ良く階段を上がる。

相変わらず軽いな…
抱き締めたら折れてしまいそうなくらい華奢だし…
でも、初めて逢った時よりもぐんと女性らしくなった…よな……

急に意識したせいか、柔らかな肌と甘い薫りに鼓動が高鳴る。

ぎゅっ

のぞみの熱を確かめるように胸に抱く。

いつも守って貰ってばっかりで情けない僕だけど
本当は、僕がのぞみを守ってあげたい。
そう思っているんだよ。

言葉に出すと安っぽくなりそうで
結局いつもうまく伝えられない気持ち。
それでも心で気持ちを感じ取ってくれる君。

本当に凄い人だと思う。


ゆっくり離して顔を見詰める。

良かった起きてない。



そうっと椅子に横にしてやると、のぞみはくるんと僕の方へ寝返りをうつ。
ただそれだけの仕草すら愛しい。
そんなことはつゆしらず、相変わらずのぞみは気持ち良さそうに寝息をたてていた。
昨日良く寝られなかったのかまるで眠り姫のように熟睡している。



(キス…したら起きるかな…)

思うより早く自分でも気がつかないうちに瞳を閉じて顔を近づけていた

(お願い起きないで…)

クリスマスの夜、一度だけ預けてくれた柔らかい唇に触れそうになった時

のぞみがふっと微笑んだ…

ドクンッ


思わずビックリしてピタリと止まってしまう。
起きたのかとチラリと顔を見たけれども、
そう言う訳ではなさそうだった。

じーっとのぞみの寝顔を間近でみていたら
彼女はよりいっそう笑顔になって

『ココ、だぁ～い好きぃ』

一言寝言を呟いた。


カァアァァアアァァア！！

不意をつかれてしまった。

顔が熱い。


狡いよのぞみ…
そんな顔でそんな可愛いこと言われたら
何も出来なくなる。

僕は半分しょんぼりして心の中でぼやいたけど
残り半分はどこかほっとしていた。

やっぱり不意打ちは神様が許してくれないかな…？

でも神様、この位は許してください。

『のぞみ、ごめんね…』

僕はわざわざ耳元で呟いて、可愛らしい耳朶にキスを１つ落とすと

『のぞみ、僕も大好きだよ。』

より一層小さな声で囁いた。

のぞみは一瞬くすぐったそうに首をすくめたけれど
またすぐ可愛らしい寝息をたて始めた。

未だ目覚めぬ眠り姫を
僕は暫く見守ることに決め
高い空を見上げる。


今日はのぞみの誕生日。


生まれてきてくれたことに心から感謝。


...Fin
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お菓子の国冒頭の小々田のテンションが高過ぎたので
きっとのぞんが寝てる間に何かやらかしたに違いないと！

思って書いたらやっぱり(うちの小々田先生は)やらかしてましたww


無防備過ぎて手が出せずでしたが、ちゃっかり耳にちっすをかましてますすみませんww

もっと変態プレイさせるべきでしたか！？(おい)

因みにお題の『眠り姫』はリクエスト頂いたものでした。

リクエストありがとうございました＼(^o^)／


あ。このお話は、
プリ５のクリスマス回放送終了後
ツリーの下でちゅーしたと言う設定になってます＼(^o^)／

やっぱ、初ちゅーはツリーの下、がのぞんの夢だったからね！

なんちゃってww


年がら年中ちゅっちゅちゅっちゅしてても良いけどww